2021年11月26日金曜日

4連勝で優勝戦線に残る

大阪に戻って、5月31日からは対近鉄2連戦(10、11回戦)だったが、初戦は江夏が3回1/3で4点を奪われ、打線は鈴木に完投される(2-5)。合計8安打の近鉄が江夏、金城から5得点だったのに対し、鈴木から7安打を放った南海はわずか2点に終わった。そして、江夏が先発投手として登板したのは、これが最後となった。 翌日は東北シリーズで好投した森口が先発し、8安打を許したものの、6回2/3を投げて2失点(自責点1)とまずまず。ただ、打線が得点できない。近鉄の3投手から7安打ながら、8回に門田の12号ソロでかろうじて同点にし、そのまま時間切れ引き分けとなった(2-2)。 6月3~5日は西宮で阪急と4試合(5日はダブルヘッダー)。3日は5連勝して以後勝っていない藤田と山田が先発した。山田は4安打2点しか許さずラクラクの完投で8勝目。前年5月からの対南海の連勝を10とした。一方の藤田はウィリアムス、島谷、中沢の本塁打を含む12安打を浴び9失点(自責点8)。野村は藤田を降板させず、最後まで投げさせた。 翌4日。2-1と南海リードの6回裏、阪急は加藤秀司が金城から2ランを放って逆転すると、代わった佐藤が河村に満塁弾を浴びた。阪急先発の稲葉は山田と同様、南海打線を4安打に抑えた(2-8)。 0-2と負けムードだった5日のダブルヘッダー第1試合は、定岡の2ランなどで終盤に逆転に成功し、投げては前日1回を投げた佐藤が完投して5勝目を挙げた(2-5)。チームは5月25日以来、久々の白星。第2試合は、初回に3点を先取した阪急が星野から着々と加点して7-4と快勝した。 前節からの不調が響いて、第10節終了時点で24勝23敗と貯金はわずか1つ。首位争いどころか、4位ロッテに2ゲーム差と迫られた。 8、9日はそのロッテと対戦した(大阪)。8日は好投が続く森口が先発し、4回2/3を1点に抑えた。南海は6回に同点にしたものの、8回に勝ち越される苦しい展開。9回に片平の代打で登場した桜井の同点打が飛び出し、延長戦となる。続く10回、今度はこれも代打の広瀬の安打でサヨナラ勝ちした(3-2)。投げては江夏が5回1/3のロングリリーフで3勝目を挙げた。翌9日はロッテ先発の村田から定岡、新井のタイムリーで序盤に3点、中盤には河埜、門田、ホプキンスの3連打で加点する好ペース。先発した金城も7三振を奪って完封し、チームは優勝戦線に辛うじて残った格好だ。 12日は対阪急前期最終戦(大阪)。南海がアテ馬の松本芳之を加えて15人、阪急が17人を投入する総力戦となった。先発は佐藤と稲葉。南海は4回にホプキンスの8号で同点にし、ピアースを1塁に置いて野村が逆転の7号2ランを放つ。対する阪急は5、6回に1点づつ加えて同点にし、佐藤を降板させる。しかし、南海打線は7回に門田が勝ち越し打、そしてピアースがダメ押し打。8回にもホプキンスの2塁打で3点を追加した。9日に完封で6勝目を挙げたばかりの金城が6回から佐藤を継いで7勝目を飾った。 13日は対クラウンライター第10回戦が大阪球場で行われた。5連勝後、6連敗している藤田が先発した。クラウンライターはサイドスローの左腕、永射。2回に先取された南海は、6回になってやっと河埜のタイムリーで同点とし、そのまま延長戦となった。延長10回裏、桜井のサヨナラ打で試合を決めた(2-1)。桜井はこの日、チーム4安打のうち3本を放ち、また藤田は長い長いトンネルをようやく抜けて久々に勝利した。 藤原を欠く打線は、毎試合アテ馬を使う苦しいやりくりだったが、第11節(6月7~13日)のホークスは4勝負けなし。首位阪急と2位近鉄は、ともに0勝3敗1分けだった。13日に阪急と引き分けた近鉄に代わって、ホークスが2位に浮上した。 (写真=6月4日(西宮)阪急山田が完投で8勝目。対南海はこれで10連勝となった。12日対阪急前期13回(最終)戦(大阪)4回裏に野村が左越えに逆転2ランを放つ(左はJ・ピアース、右は山本1塁ベースコーチ)。著作権は著作権者に帰属します。)

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